7月28日(火)
「アンラッキー・モンキー」を観に行く。
主人公がエネルギッシュな音楽に乗って疾走するタイトルロールから
思わずわくわくしてしまう。
往年の刑事ドラマを思わせるような演出がまた心憎い。
そして、
追っ手をまいてほっと一安心、やれやれと振り向きざまに
手にした包丁が見知らぬ女性の体にザックリ。時が凍りつき、一転静寂が訪れる。
うまい!
思わず心の中で快哉を叫んでしまった。
不条理な展開を、息もつかせず力まかせに見せてしまう力量に舌を巻く。
タイトルロールでこんなにわくわくしたのって、
「パルプフィクション」以来かもしれない。
そして何より素晴らしいのは、
この序盤の緊張感を最終盤まで持続させ、
荒削りながらも有無を言わさず観客を飽きさせない作品として完成されていることだ。
強盗犯人に仕立て上げられた上、図らずも殺人まで犯してしまう主人公。
自分の置かれている悲惨な状況を自己欺瞞や被害妄想で塗り固めようとするも、
良心の呵責と非常な現実に押しつぶされ
壊れていってしまう姿がもの悲しい。
脇を固める役者陣も文句無し。
個人的には
半分壊れた殺し屋を演じた田口トモロヲと
威勢はいいがいざとなるとてんで情けない
うらぶれたやくざを演じた鈴木一功が素晴らしいと思う。
ここまでリアルな「町場のやくざ者」は久しぶりに見たような気がする。
この両者が相まみえるスナックでの襲撃シーンがすごい。
ブラックな笑いの要素と凄まじいバイオレンスが一体となり、
ゾッとするほどの緊張感を醸し出していた。
最後に、
車の騒音や雑踏の中のざわめき、
咀嚼音等の生理的な音、
イヤホンから漏れ聞こえる音楽、
公衆電話や信号の警告音等のノイズを
効果音として生かしており、作品全体に心地よい緊張感を与えている点も特筆しておきたい。
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