8月8日(土)
田中と「SF/サムライフィクション」を観に行く。
映像作家、中野裕之の処女作であるこの作品、
「とにかく痛快な時代劇を」というコンセプトの元に制作されたそうだが、
確かに既存の時代劇の映像的な文法にとらわれない作品に仕上がっていて興味深い。
冒頭、デジタル文字と時代劇の映像が奇妙なミスマッチを見せるタイトルロールや、
若侍たちが走っていくシーンの疾走感など、見ていて気持ちがいい。
布袋寅泰演じる悪役・風祭が颯爽と海岸を歩いていく場面など
日本映画には珍しいダイナミズムにあふれた映像にゾクゾクしてしまったほどだ。
布袋寅泰の妙にはまった悪役ぶりや、主人公とその友人たちのバカ気に満ちたやりとりなども見ていて楽しい。
悪役・風祭に奪われた将軍拝領の宝刀を取り戻そうと半人前の若侍が奮闘、
そこに戦いを嫌う枯れた浪人(実は剣の達人)が絡んできて…というシナリオ自体は他愛もないものだが、
主人公の若い勢いやコントにも似た珍妙なやりとり、
スピード感のある映像演出等に乗せられて、最後まで飽きさせずに見せてくれる。
惜しむらくは、一部の役者の演技面でのつたなさや、
日光江戸村撮影所で撮影されたというセットや小道具のチープさ故に
映像の鮮明さが安っぽさに転化してしまっていることだ。
とはいえ、低予算の処女作でここまで観せてくれれば十分。
次回作、「SF/ステレオ・フューチャー」にもとりあえず期待したいところだ。
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