8月10日(月)
以前、当HPで「機動戦艦ナデシコ」について
「この作品ってコヤでやっておもしろいのか?」という疑問を提示した手前もあるので、
それを確認しに行く(笑)。
エヴァと同様、異様に多いスポンサーテロップに辟易しつつ、本編に突入。
まず、絵がきれいだなあ、というのが第一印象。
89年の「機動警察パトレイバー劇場版」以降、マニア系アニメのスタンダードとなりつつある
タツノコIG/ingのリアルとアニメらしさが同居した作画が
後藤圭二氏のキャラクターデザインと相まって実にいい感じだ。
で、本編はといえば、佐藤監督らしい良くも悪くもファンを裏切る作品に仕上がっている。
あまり詳しく書くとネタバレになってしまうので書かないが、
少なくともアキト×ユリカのカップルを見て和んでいたタイプの人にとっては
かなりつらい作品であることは確実。
TV版の「ゲキガンガー」を軸にしたパロディ色の強い物語展開もほとんど払拭されている。
今回、主人公がユリカ→ルリへシフトしたことに関しては、
スポンサーの意向もあったのではないかとの勘ぐりもあるが、
あくまでルリが主人公である前提の元に
TV版の「ハッピーエンド」すらぶち壊しにするほど
思い切ってドラスティックな展開を選んだ佐藤監督の潔さは特筆しても良いのではないかと思う。
TV版の持ち味でもあった死と笑いが隣り合わせの「ほのぼのダークネス」な感じは健在。
なおかつ、TV版に比べて「言葉」より「間」を生かした演出手法により、
キャラクターたちの個性や感情が際だって感じられるのが良い。
ただ、尺が短かいせいもあるのだろうが、
ルリが執着してかき集めたかつてのナデシコクルーが
最終局面においてこれといった活躍もしてくれなかったのは非常に残念。
結局、ルリとアキトさえいればケリがついたのでは…?という感じが残り、
いまいちすっきりしない。
まあ、あの旧クルーの面々はルリの精神的支えになっている、というだけなのかもしれないが。
結論としては、この「劇場版」は
TV版のファンサービス後日談としては十分合格点とはいえ、
TV版を見ていないと状況をまるで把握できず閉塞的、
尺が短く消化不良な点が多い、
映像的には密度は濃いが大画面に見合うダイナミズムに欠ける、等という点から
劇場映画単体としては多少ならず不満が残る出来となってしまっている。
完成された「ナデシコ・サーガ」として、
TVやOAV等の形で続編を制作して完結させた方が良かったのでは、とも思うが、
そうなるとあそこまでドラスティックな展開にはしなかったかもしれないなあ、とも思えるので
まあ善し悪しか。
◎
ちなみに書くまでもないかもしれないが、「スレイヤーズごうじゃす」はあくまでオマケ。
あらゆる点で劇場映画レベルとはほど遠い。
お小遣いを巡る親子喧嘩話なんぞ、劇場にかけんなや。
映画を愚弄するな。
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