7月2日(木)
「ディープ・インパクト」を観にいく。
正直、あまり期待してはいなかったのだが…
…いやあ、ちょっと拾いものだったかもしれない。
この映画、カテゴリー的には一応パニック映画の部類に入るかと思うのだが、
広告から受ける「SFXを駆使した典型的なパニック映画」と言う印象とはほど遠く、
かなりの異色作となっている。
ほとんどのパニック映画でパターン化している
突発的な異常事態に遭遇したときに見せる
人間の狂気や愛憎、我欲に溺れた人間の哀れな末路等…平たく言えば、
「極限状態では人間っていうのはこんなに醜い本性を顕わすんだよふふふ、
でもまあ、たまには自己犠牲の精神などというモノを持ってる奴もいるから、
まあ、ちょっとは捨てたモンでもないよね」
などという描き方は一切せず、
「極限状態だからこそ、人はこんなにも優しくなれるんだよ」
と言うスタンスをひたすら貫いている。
当然起こるであろうパニックや暴動のシーン、そして
選ばれた者とそうでない者の間の憎悪や軋轢などといったものは
ほとんど描かずに(もちろん、最低限のリアリティーを失わない程度にその片鱗程度は見せているが)
来るべき時を目前にして、静かに死に向かう人や
愛する人達とともに今を生きる人の姿を静かに、そして少しロマンチックに描いている。
ややロマンチックに過ぎて辟易とする部分もあるし、
(ジェニーの親父が想い出の写真を持ってきて、なしくずし的に親子の和解に向かってしまう部分とか…)
ハリウッド映画的楽観主義も無くはないが、その楽観主義が
「国家の威信」や「宗教的価値観」ではなく、
人間の優しさや生きる力といった部分に根ざしているところに好感が持てる。
迫りくる大津波の前で静かに抱擁する親子の姿と、
宇宙船クルーの「別れ」のシーンで、ちょっと泣けてしまったよ。
そして、この映画のウリである隕石落下&津波のシーンで、
不覚にもちょっと感動してしまった。
安易なSFX賛美をするつもりは毛頭ないが、
この映画の場合、主にSFXシーンは
前半の宇宙船でのミッションとクライマックスのカタストロフシーンに集中しており、
垂れ流しではなく、描くべき事を描くためにSFXを使う、という基本を押さえていると思う。
この手の映画としては信じられないくらい淡々とドラマが進行してきただけに、
最後の最後でやってくる破壊シーンのカタルシスは相当なもの。
海原焦がして突進する隕石を呆然として見送る人々。
圧倒的な巨大さと破壊力で迫りくる大津波のリアリズム。
そして、ビルもろともゴミのように流される人々。
技術的な事はさておいて、
個人的には「ID4」における破壊シーンなど比較にならないほどの
無力感と衝撃を感じたよ。
大作映画の割にはかなり地味な作品なので
「スピルバーグ絡み」ということで
派手な展開を期待して見に来た人には不満が残るかもしれないが、
個人的にはおすすめ。
若干予定調和的な部分は否めないが、
リアリティより性善説的な信念を押し通した結果だろう。
あと、音楽はいつもながらのホーナー節(^^;
ジョン・ウイリアムズもそうだが、
この人の音楽は本当に一発で分かるなあ。
恐ろしく特徴的だけど、あくまでもBGMに徹する音楽。
ある意味、筋金入りの映画音楽家といえるかもね。

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